No 1 2種類のキャッチコピーとは?

ボジョレヌーヴォは毎年そのキャッチコピーに注目が集まるほど、インパクトのでかい評価をすることで有名です!
ですがこのキャッチコピー、一体誰が付けているのでしょうか?

販売業者とボジョレーワイン委員会の存在

実はボジョレーヌーヴォには『販売業者』と『ボジョレーワイン委員会』がつける2種類のキャッチコピーが存在します!
ここの大きな違いは評価の差!
実は話題を集めているのは『販売業者』が付けるキャッチコピーで、かなり誇張したキャッチコピーをつけます!
もちろんそれがウケて毎年注目を浴びてるので、商戦戦略としては大正解ですね!w
一方、『ボジョレーワイン委員会』のつけるキャッチコピーは語彙力がない控えめ。

基本的には『ボジョレーワイン委員会』がぶどうの出来を評価→『フランス食品振興会(SOPEXA)』が発表→『販売業者』が「わかりにく!!」と言って誇張して売り出します。

あまり知られていませんが、この2種類のキャッチコピーを見てみると、そのギャップの差がクセになりついつい毎年調べてみたくなってしまいますよ!

No 2 販売業者のキャッチコピー(2002~)

  • 2002年…「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来」
  • 2003年…「100年に1度の出来」
  • 2004年…「香りが強く中々の出来栄え」
  • 2005年…「ここ数年で最高」
  • 2006年…「今も語り継がれる76年や05年に近い出来」
  • 2007年…「柔らかく果実味豊かで上質な味わい」
  • 2008年…「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
  • 2009年…「50年に一度の出来」
  • 2010年…「1950年以降最高の出来と言われた2009年と同等の出来」
  • 2011年…「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」
  • 2012年…「史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか」
  • 2013年…「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」
  • 2014年…「近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ」
  • 2015年…「我がワイン人生最良のヌーヴォー」
  • 2016年…「エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい」
  • 2017年…「フレッシュな香りと上品なタンニンがある、まろやかな味わい」
  • 2018年…「理想的な条件の下、すばらしいヴィンテージへの期待高まる」
  • 2019年…「バランスのとれた味で、適度な量と高い品質のワイン」
  • 2020年…「非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり」

このベタ褒め感である。

最悪の出来なはずの2012年ですらベタ褒めるこの胆力。
さすがとしかいいようがありません。

No 3 ボジョレーワイン委員会の品質評価(2002~)

  • 2002年…「色付きが良く、しっかりとしたボディ」
  • 2003年…「並外れて素晴らしい年」
  • 2004年…「生産者の実力が表れる年」
  • 2005年…「59年や64年、76年のように偉大な年の一つ」
  • 2006年…「とてもうまくいった年」
  • 2007年…「果実味が豊かでエレガント」
  • 2008年…「フルーツ、フルーツ、フルーツ」
  • 2009年…「数量は少なく、完璧な品質。桁外れに素晴らしい年」
  • 2010年…「果実味豊かで、滑らかでバランスの取れた」
  • 2011年…「3年連続で、偉大な品質となった」
  • 2012年…「心地よく、偉大な繊細さと複雑味のある香りを持ち合わせた」
  • 2013年…「繊細でしっかりとした骨格。美しく複雑なアロマ」
  • 2014年…「エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい」
  • 2015年…「記憶に残る素晴らしい出来栄え」
  • 2016年…「エレガントで、魅惑的なワイン」
  • 2017年…「豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい」
  • 2018年…「2017年、2015年、2009年と並び、珠玉のヴィンテージとして歴史に刻まれるでしょう」
  • 2019年…「有望だが、生産者のテクニックが重要な年」
    ※2019年はボジョレーワイン委員会より日本国内向けに正式なキャッチコピーの発表はされていないようです。
  • 2020年…「極めて早い成熟と乾燥した夏による、究極のミレジム(ヴィンテージ)」

フルーツ、フルーツ、フルーツ

品質評価とはなんだったのでしょうか。
むしろこの発表を受け、「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」とキャッチコピーをつけた販売業者の努力を考えると頭が上がりません・・・・